ポストコロナの中小企業の事業承継・M&A(中小企業白書)

M&A

事業承継

中小企業白書・小規模企業白書が公表

中小企業庁では、2021年版の中小企業白書、小規模企業白書を公表しました。

中小企業白書では、コロナ禍により70%を超える企業が現在も企業活動に影響を受けるなかで、デジタル化への対応や、M&Aなどを活用した成長への取り組みが今後の復活を左右すると分析しています。

【出典】

中小企業庁・公式ウェブサイト:https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/index.html

新型コロナの影響は甚大

中小企業白書によれば、新型コロナウイルスによる企業活動への影響が「継続している」と答えた中小企業は全体の71.3%に上りました。他には「収束した」の8.6%、「今後影響が出る可能性がある」の15.3%などで、新型コロナの影響を全く受けていないのは4.8%だけでした。

こうした厳しい事業環境、状況で、企業の生き残りのために必要なのは、事業環境の急変への対応です。

中小企業白書では、2020年4月~9月に一時的に売上高が落ち込んだものの、その後2020年10月~12月の売上高が中央値を上回った〝回復企業〟に焦点を当て、そのうち6割超が事業環境への変化に「十分に対応できている」と答えたデータを示しています。

中でも、福岡県宇美町のKOYASU FARMの事例が紹介されています。具体的には、自社ブランディング強化、ECサイトへの登録、地元福岡の飲食店等との連携など新規事業に取り組んでいる事例が紹介されています。

事業継続力の強化

中小企業白書では、事業継続力の強化を意識してデジタル化に取り組む企業では労働生産性の平均値が669万2千円(1人当たり)であるのに対し、意識なくデジタル化に取り組んでいる企業では555万2千円、そもそもデジタル化に取り組んでいない企業では499万4千円と、大きな差が出ていることも示しています。

増加するM&A

近年になって中小企業同士のM&Aが増えつつあることにも触れています。

売り手としてのM&Aを検討したきっかけとしては、従業員の雇用維持、事業の成長・発展、後継者不足等があげられています。(下図参照)

また、事業承継時の課題としては、事業の将来性、後継者の経営力育成などがあがっています。

ただし、残念ながら事業の引き取り手が見つからずに廃業する企業も増えていて、そのなかには売上高当期純利益率が5%を超えるような高利益企業も存在するそうです。

事業承継課題

(出典:「中小企業白書」)

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